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中村弁護士コラム 第42回

種類株主総会について

弁護士 中村直人

種類株主総会というのは、会社が種類株式を発行しているときに、ある種類の株主が集まって開催する総会のことをいいます(会社法321条以下)。

種類株主総会では、会社の行為がある種類の株主に損害を及ぼす恐れがあるとき(会社法322条)や、ある種類の株式の内容として当該種類株主の種類株主総会の決議を要するものと定められている事項を行うとき(会社法323条)などに必要とされます。

前者の種類株主に損害を及ぼす場合というのは、株式の内容の変更等の定款変更や、株式併合、新株発行、合併等の再編行為などの場合に、ある種類の株主に損害を生じさせる恐れがある場合です。後者の種類株式の内容として定められているときというのは、いわゆる拒否権付き種類株式を発行した場合で、株主総会の決議事項や取締役会の決議事項について、特定の種類の株主による種類株主総会の決議が効力発生要件とされている場合です。それら以外には、取締役・監査役の選任権を有する種類株式を発行した場合に、その種類株主総会で取締役・監査役を選任する場合(会社法108条1項9号、347条)や、種類株式に全部取得条項を付する定款変更をする場合(会社法111条2項)、合併等の組織再編において譲渡制限株式等を割り当てられる場合の合併等の承認の場合(会社法 783条3項等)などがあります。実務的には、MBOを行うときに、定款変更のために株主総会と同時に種類株主総会が開催されることがあります。

種類株主総会というと、株主総会の一種と考えがちですが、「株主総会」と「種類株主総会」は法律上は別概念で、そのため種類株主総会に関しては、株主総会の規定が「準用」されることとなっています(会社法325条)。定款においても、種類株式を発行している会社の場合、株主総会の議長の規定などを、種類株主総会に準用する規定を置いていることがあります。

実務的には、種類株主総会の場合、株主総会と同時に必要とされることが多く、その場合には、株主総会と種類株主総会を同時に開催して良いかどうか、その場合の審議や採決はどうすべきかなどといったことが問題となります。両総会が同じ株主であれば同時に開催しても問題は少ないでしょう。招集通知も、株主総会と種類株主総会のものを別途に発送するか、同じものでよいか、その場合の招集の記載方法はどうすればよいか、開催時間は「定時株主総会終結後」としても良いかなど、細かい点が問題となります。議長シナリオも考えなければいけませんので、実務的には面倒な場合もあります。

種類株主総会の決議にも、普通決議と特別決議、特殊決議があります(会社法324条)。書面決議をすることもできます(会社法325条、319条)。種類株主総会についても議事録は作成します。

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